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社会問題を考える


by phtk7161
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「官僚的なるもの」との戦いその(1)・・・自民党政権下での野党の責任

政治がクリアーならば、我々一般社会もクリアーになるかといえばそうではない。政治は一般社会を写す鏡だ。だから真理はむしろ逆で、一般社会がクリアーならば政治もクリアーにならざるをえない。それが真理といえる。個々の人間が、まず自分の身近なことからなるべく「ずる(金・コネ)」をなくしフェアーに生活していく。良い政治を実現するには、それこそが、本当に重要なことなのだ。

ところが世間というものは面白いもので、自らの「ずる」は棚に上げ政治にだけ「クリーン」さを求める。あるいは、政治の答えが○×式にだせると考える人もいる。しかし政治というものは実際は生身の人間を前提としてなりたっているものだ。欠点のあれば長所もある。そういう中では物事を多角的にみてより妥当な結論を出していくことが何より重要となる。

        ☆          ☆          ☆

今政治において、解決すべき最大のテーマとは何か。それは「官僚的なるもの」の是正をおいて他にない。

長い間この国は、官僚を中心として動いて生きた。政治家が主導しているように見えて、私たちが選んだ政治家は結局「官僚的なるもの」に動かされてきた。国家の方針の決定権は官僚組織>政治家だったわけである。

それは時に政治家が決断しているように見えても、結局は官僚の「利益」=「国益」を最優先に物事が決定されてきたのである。したがって今度の政権交代のもっとも大きな意義は、このことの是正をおいて他にない。

面白いもので、政権交代は本当にこれまで見えてこなかったものの姿を明らかにしてくれる。「官僚的なるもの」といえば、もちろん官庁のキャリアが代表的者であるが、それだけではない。検察もそうだし、メディアもそうである。

ことに大手メディアは記者クラブというギルド的形のもとで、「官僚的なるもの」のなかで保護されてきた。官僚主導の世界の範囲で、彼らはメディアなるものを演じさせてもらっていただけだ。そうでなければ、検察調査費(裏金)の問題も、西山記者事件での問題のすり替えも、アメリカでの日本大使呼びつけられ騒動も多角的情報提供のもとで、もっとさまざまな角度から報道されてきたはずである。

さらに「官僚的なるもの」に甘んじてきたのはメディアだけではない。たとえば共産党もそうである。共産党は今度の小沢問題で、検察の捜査批判はほとんどしていない。リークの問題。検察自身の金の問題。法律要件の問題。あげていけばいくつも疑問はある。さらに、小泉政権以降の特捜部の捜査対象になった政治家をみれば、その対象の偏在性にはあの論理性にたける共産党のことである、とっくに気づいていたはずだ。

しかし考えてみれば、共産主義はまず中心の指導組織(たとえば最高ソビエト)のもとで国家体制をうごかしていく。そこで要となるのは当然「官僚」。上からの指導体制なわけだから、「官僚的なるもの」とは切っても切れない間柄ともいえる。実際各省の中にも共産党に情報をもたらしてくれる「シンパ」はいるだろう。

いずれにしても、共産党は政治家は批判できるが「官僚的なるもの」は批判できない。ましてや最大の行政処分力をもつ検察とはうまくいやっていきたい。これが党の本音だろう。つまり政権交代には協力できても、「官僚的なるもの」との戦いには協力できない。そういうことである。そうでないというなら、いまからでも遅くはない検察(たとえば女性秘書への捜査の問題)やメディアへの批判(リークの問題)やってもらいたいものだ。

         ☆          ☆         ☆

「金と政治」の問題が政治において長年のテーマだったことは事実だ。その金がもっとも政治で必要とされる理由は「選挙」のことをおいて他にない。そして長年与党政権にいた自民党はそれを「武器」にずっと政権を維持してきた。「選挙に金をかける」=不純というなら、自民党もまさしくそれをやってきたのだ。そのやりかたが、選挙でかなりの効果をあげてきたことは疑いようもない事実である。

相手が兵量(金=不純)的戦いをしかけてきているのに、一方は「まったくのクリーン(純)な戦いでで政権を勝ち取る」という。どこの馬鹿がいうことか。そうやって自民党体制の一党独裁は長く続いていき「官僚的もの」はますます肥大化してきたのだ。長い間与野党ともそういう環境の中で、自己満足的にぬくぬくすごしてきた。政権交代なければそもそもまともに「金と政治」の問題など永遠に解決しないのにである。

まともに政権交代をめざすことを放置してきたあげくが、たとえば「年金」の問題であり「道路」の問題「沖縄」の問題である。これらの問題の根底には、それらの政策が政治家以上に「官僚的もの」を潤すシステムになっていたことがある。政策がそもそも国民を潤すシステムにはなっていなかったのだ。そうなった責任は自民党だけにあるのではない、長い間選挙での戦いを「本気で政権交代可能にする」形で戦ってこなかった野党にも(自己満足政党)はある。そのことは否定できないといえよう。
by phtk7161 | 2010-02-12 02:10