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社会問題を考える


by phtk7161
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新党たちあげと「政治とカネ」の現実・・・舛添新党構想に思う

舛添議員が谷垣批判とともに、仮に新党をつくるならという質問に対し新党に入れたい人物として「渡辺・前原・枝野」の名前をあげたようだ。

かつて鳩山首相と小沢幹事長は自民党を飛び出し、自ら党をたちあげた。当たり前のことだが「政権取り」は結局は数で決まる。数で勝たないとやりたい政策もやれない。そのためには一定の議員の数の当選がどうしても必要となる。それをやりとげ今回彼らは民主党という「党」でついに政権をとった。

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一般に考えて、舛添議員や新党で名前の挙がった議員はそうカネをかけずに当選することはできると思う。しかし、知名度の低い人物が新人で立候補するとなるとこれは相当に大変である。

党が丸抱えしてくれない限り、その額は相当なものになる。事務所の賃料・人件費(事務員あるいは秘書)・事務費これに加え選挙が始まれば供託金(これは没収されなければあとで戻ってくるが)に加えその他もろもろ費用がかかる。合法的にどうまじめにやっても当選までにかかる年間の費用は平均的な人の年収などはるかに超えてしまう。これと通常の生活費はさらに別にかかるのである。

             
こういう現実のなかで、新党をつくるとなればどうなるか。まず中心となる党本部の賃貸料や事務費さらにそこで働くの人件費もかかる。さらに本気で政権をとるならこれに加え地方ごとに県連の支部も必要になる。同じくそこでも諸費用がかかる。

もちろん簡単に他党の現議員が多数移籍してくれればことは簡単だ。しかし誰もカネの苦労はしたくないから現実そうは甘くない。結局は新人を発掘しなければならない。でもその新人に潤沢な資産がなければ、結局は党がバックアップするしかなくなる。もしバックアップできないなら結局候補者は政権取りにはるかにたりない人数にとどまってしまう。

つまり新党をつくっても現実を見据えて政権をとるとなれば、それこそ莫大な費用がかかるということである。もちろん党同士の合併での新党つくりならそこまでの費用はかからないだろうが、それでも党名をかえるだけでその関連費などはかかってくる。

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その現実を間の前にして、かつて鳩山首相と小沢幹事長は自民党をわって新党をつくった。連立政権は短期間で終わってその後はほとんど野党暮らし。あらためて「民主党」として政権取るまで野党としてどのくらい費用がかかったか。莫大な費用がかかったことは想像に難くない。

自民党の選挙費用は民主党以上である。当然だが与党であれば献金は集まりやすい(たとえば経団連の献金費は民主と自民の献金費は1対10以上である)し、政党交付金も多い。長い間常にカネをかけて政権を維持してきたのが自民党である。その現実を目の前にして「カネをかけなくても野党でも勝てる(政権が取れる)のだ」というのは夢見る乙女のいうことである。

今後は政権党になって政党交付金も多くなる。だから鳩山首相も小沢代表もカネで野党時代ほど苦労しないでいい。しかし政権とるまではそうはいかなかった。誰かが物量で汗をかかなければ、政権取りに必要な当選者の確保はできなかった。その事実は見過ごせない。泥はかぶる仕事は他人(鳩山・小沢)に任せ、政権とったらいいとこ取りでカネで「鳩山小沢ひっこめあとは俺たちが中心だ」はあまりに虫がよすぎよう。

過去の問題は自民政権を倒し新しい政権をつくるための一里塚。これからは未来を見据え、より厳しい新しい政治資金法の確立。これが今考えられるベストの選択だと私は思う。

それでも舛添・前原・枝野ついでに渡辺が民主党にそんな過去があってはいけないというなら、新党をつくりカネをかけないで政権が取れるということを彼らにみせてほしい。カネをさほどかけずにカネをかけた自民・民主を倒して政権をとってこそ、本当の意味で「政治とカネ」の問題は解決したことになる。もしそれができたら潔くあなたがたに私もしゃっぽを脱ごう。

          ☆          ☆            ☆

私も政治にカネがかからないことにこしたことはないと思う。今の企業団体献金も、そのもとをたどればその質は綿密にねられた企業費(業種利益とそれにかなう政策の対価)やギルド代(たとえば○○会の会費)のようなものだ。広い意味ではひも付きのカネである。その企業団体献金が廃止されればそれにこしたことはない。もし企業団体献金が廃止されたならあとは個人献金でということになる。

でも正直な話、何のしがらみもなく一般の人がどれくらい献金してくれるだろうか。私で言えばせいぜい年5万(新聞代)かなと思う。見事なまでに検察に迎合した新聞や雑誌をやめればそれくらいはなんとかできる。でもさてほかの人はどうだろう。まず絶望的だ。そりゃやそうだろう自分のために使ったほうが言いに決まっている。

まじめに政治家をやっても一定の額(それも平均的な人の年収をはるかに越える)はかかる。そんな現実を目の前にして、企業団体献金はだめ。でも個人献金はどうも。そんな意識で世間は「カネが」と騒ぐから面白い。
by phtk7161 | 2010-03-03 05:23