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社会問題を考える


by phtk7161
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消費税値上における「普通税」VS「目的税」の意味合い・・・「財政の機動性確保」か「官の制御」か

菅首相が消費税10パーセントについて言及した。選挙前でのマニフェストでの発表(ただしここでは税率についてはふれていない)であり、しかも「自民党案参考」という言葉とも重ねあわせればこれは本気モードといっていいであろう。

同時に法人税率を20パーセント台にまで引き下げる(現行40パーセント)とのこと。これがいわゆる税の直間比率の見直しの意味合いまで含むものかどうかはともかく、首相が税制度の大幅見直しを考えていることは間違いない。

わが国の財政が待ったなしで逼迫しているのはご存知のとおり。首相が政権党としてひとつの解決策・・・その実効性はともかく・・・を国民に提示することは悪いことではない。しかしそうはいっても私なりに気になる点があることも事実だ。

それは今回の消費税値上げが、「目的税」につい何らふれてないからである。というより法人税の引き下げと重ねれば、今回の引き上げは「普通税」で当然決まりといっていいのかもしれない。

        ☆           ☆           ☆

税の使い道が自由に決められるほうが、財政の機動性確保のうえからこれが望ましいというのが、財務省の言い分の常だった。「「金のことは専門家の俺たちにまかせておけばいい。素人は口を出すな」これが長年にわたり続いてきたわが国の財政の形である。そして結果が今のこれである。

すでに幾度も触れてきたことだが、「官の是正」は政権交代の重要なテーマのひとつである。もちろんこれには財務省による「財政の独占」も当然含まれる。

しかし「金の専門家」である財務省と「素人」の我々が細かな点で議論したところで、そうやすやすと官の是正は思い通りには運ばない。「それらしきもっともな理由」をつけることにおいては、彼らはまさに天才であるからである。

そこでそんな細かな点でのやりかたより、もっと大枠からスポンサーであるわれわれが「これなら払う対価が十分あると思える分野」に税の使い道を限定し、そのことで官(財務省)の動きを一定限縛ってしまう有効な手段これがまさに「目的税」ということになる   

今回の消費税見直しについては、この「目的税」には何らふれていない。財政の機動性確保VS官の制御。どちらが重要か。私は法人税の値下げとセットだとしても、今はやはり目的税・・・もちろん福祉目的が一番望ましい・・・による「官の制御」を優先させるべきと思う。もし今回の消費税がすべて「普通税」のままであるなら、かつての細川政権時に構想された「福祉目的税」のほうが何ぼかましといえる。

もちろんだからといって今の段階で菅首相が財務省に飲み込まれたとするにはもちろん早計すぎるが、ただもともと菅さんは「背番号制導入」の推進者でもありこれまた財務省の要望と一致するのもまた事実。「官の是正」が重要なテーマである以上、これまたまったく無視もできない。

かつて都知事になった青島さんは、「二信組」問題をきっかけに都の役人・与党に丸呑みされてしまった。菅さんが、いきなり首相になったからといって同じように「君子豹変」することはさすがにないとは思うがさてどうなるか。いずれのケース・・・菅が官にのまれるか、官をあやつれるか(是正できるか)・・・も考慮に入れて今後この政権をみていきたいと思っている。
by phtk7161 | 2010-06-18 08:08