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社会問題を考える


by phtk7161
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ギリシャ経済危機について・・・裏の世界の節度のありかた

ギリシャ危機は、世界経済全体に深刻な影響を及ぼしている。当然ギリシャに対する世界の目は厳しいようだ。目にした雑誌には「最悪の国ギリシャ」という見出しまで踊っていた。

なるほどギリシャがオリンッピクを契機にバブルに踊り、かつそれ以前から財務的に厳しい体質であったにもかかわらず、有効な手立てをとってこなかったのは確かであろう。例を挙げれば、国家収入と公的職員(とくに人件費)のバランスなどどうかなとは思う。

しかしそれでも、昨今の金融経済至上主義側からのこういった見方には相当に疑問がある。

ファンドをはじめとする金融至上主義者は、徹底的に国家の財務体質を問題とする。これに染まった軽薄な評論家ほど「国家を家庭にたとえれば、毎月の収入がこれこれなのに、支出がこれこれで~」などと話すのを見かけた人も多いはずだ。こういう見方をする人物は、「人間」をみない。数字ばかりをおっかける。しかし数字だけで現実にねざす生活の充実度は判断できない。

もとより政治は人間のためにある。最低でも人間が「普通だな」さらには「いいな」と思うような暮らしをできるようにするためにあるのである。ばかげた「贅沢」によってその人間が金融ゲームの結果おちぶれていくのはともかく、さほどの贅沢などしたことのない人間がそのゲーム(金で金を生産する)のあおりをうけて、普通の暮らしができなくなるのはどうみても「マトモ」ではない。

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今のギリシャの経済危機にしても、一番の原因はギリシャ国債の暴落をマネーゲームに利用したファンドの存在と、それとコラボを組む「格付け」会社の存在が大きい。これらが、今の世界経済に与える影響の割合が大きすぎるために、国家間の支援策がなかなか有効なものにならないのである。

今日本の巷を騒がしている問題に暴力団と民間との関係があるが、これとマネーゲーム屋と国家経済の問題は同じだと私は思う。

暴力団についていえば、いろいろな事情(生い立ちなど)で裏の社会でしか生きていけない人がいる。そうである以上、表社会も裏の社会の存在をまったく否定することはできない。

もっともそれが許容されるのも、裏社会が裏社会の市場だけでうごめく、あるいは表社会と関係するときもそれなりの範囲・・・たとえば堅気側の方から裏社会に働きかけ、あるいは裏からの安易な誘いにのった結果どつぼにはまるような場合などは仕方がないであろう・・・で動くだけならである。「裏」がそれ超え、裏のルール駆使して表の世界にやみくもにでていこうとするのなら、それはつぶしていくしかない。本来「裏」の分野には守るべき節度が存在しているからだ。裏はあくまで裏であり「表」にはなれないし、またなるべきでもない。

        ☆          ☆          ☆

金融もそうである。お金を融通しその結果経済の活性化をはかる。これが金融の原点だし、証券や為替にしても資金調達のためあるいはリスクヘッジのためそれがその存在の原点である。あくまで実体経済を補助するための存在が「マネー産業」なのである。そこにマネーゲーム屋(ことに投資屋=ファンド)が「経済の主人公」となる余地など本来ありはしないのである。マネーゲーム世界はりっぱに「裏」の世界である。決して「表」ではない。

しかし今の実態はこれが逆転し、マネーゲーム屋が主人公となり「企業」も「国家」も彼らの駒にすぎなくなってしまっている。そしてゲームで使う駒の「パワー」をきめるのは「格付け会社」というわけである。

マネーゲーム屋が市場を支配する現状は、あきらかに投資が本来持つべき節度を欠いている。それは裏社会が社会の中心となって、裏社会の人間の幸福を第一に考えるよう表社会が存在しているようなものである。

今の問題を解決するには、相対的にファンドの資金量を縮小させるだけの巨大な世界国家規模の基金を作るか、あるいは取引ごとにゲーム屋に高いテラ銭(取引税のようなもの)を払わせる制度しかないと思う。そこまでしないと、裏中心の経済(ゲーム屋)の現状はなかなか止められない。

おりしもウォール街への抗議デモをきっかけに、金融(ことに投資)に対する批判的行動がおこりつつある。これを契機に今の金融経済のあり方を見直す風潮が高まることを願いたい。
by phtk7161 | 2011-10-27 08:49