社会問題を考える


by phtk7161
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フランス国民議会選挙結果と夏の参議院選挙・・・民主的国家(国民)の試金石となる選挙

  フランス国民議会の選挙が終わった。結果は、UMP314(前回359)社会党185(前回149)と、UMPは30以上減らし社会党は30以上増やした。与野党全体でみても、解散時より与党の議席数は減り(約340)野党は増えている(約200)。

 議員全体の数では、新自由主義的保守派(与党)が福祉国家的リベラル派(野党)より100以上多いから、野党の勝利といえないことはもちろんである。ただ、直前までの世論調査では400~480という数で与党の圧勝が予想されていたことから考えれば、今回の結果は国民がサルコジ政権(与党)に一定の警告を与えたものと評価していい。

 前評判とはかなり違った今回の結果を、サルコジ政権が増税を示唆した(直前になり否定)ことが原因とする見方もあるが、私はそうは思わない。むしろこれは、フランス国民があまりの与党大勝の予想に一定の危機感を抱き、バランス感覚を働かした結果であろう。与党の圧倒的な数を基盤とする政府の危険性、すなわち権力の暴走による人権へのマイナス的な影響など、「権力」というもののやっかいさを一定の国民が根底のところで認識していることが大きい。フランス人の国民性に、自ら権力者を倒して権力を獲得したDNA的なものが備わっていることの表れでもあろう。

       ☆       ☆       ☆

 人類が長い歴史の中で得た重要な経験則のひとつに、圧倒的な権力は腐敗し暴走しだすということがあげられる。数的なものでいえば(選挙的な)ひとつの政党やひとつの硬直した考えだけしか認められない国家(社会)では、人権的なものが許容される度合いは著し低く、人の生命も軽んじられる。その最たるものが全体主義(ファシズム)である。

 どんなに、すばらしい人間(人格者)でも、巨大な支持を背景に彼に権力を集中させれば、時がたてば必ず暴走する。これは、人類が常に意識しておかなければならないひとつの真理である。そして、そういう形(圧倒的な数的権力)を生みださないことが、また民主国家における国民の使命でもある。何かにすがりつくだけの主権者(国民)は民主国家にふさわしい主権者(国民)とはいえない。そういう意味では、フランス国民は今回の選挙で当たり前のことをしたにすぎない。

 ひるがえって、私達の国はどうか。前回衆議院選で与党に国民は圧倒的な権力を与えた。最近の暴走的な国会運営も、一面から見れば国民が与えた形でもある。それがまずいと思うならそれは、国民自身の手で是正しなければならない。それが間近に迫った参議院選挙でだせるか。いいかえれば、戦後民主化された日本で、真の民主国家にふさわしい国民が育ってきたといえるか。夏の参議院選挙は、その試金石となる選挙であるといっていいのかもしれない。
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by phtk7161 | 2007-06-21 13:03