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社会問題を考える


by phtk7161
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久間発言にみる安倍内閣の幼稚的体質

 久間防衛庁長官が辞任した。久間氏に関して私があきれたのは、原爆投下に関しての「しかたがない」という発言だけではない。むしろそれ以上に、そのあとの記者とのやりとりで述べた「だいたい私は、原爆にあった人だけをかわいそうとする考え方は好きではない。それなら焼夷弾にやられて死んだ人はかわいそうでないというのか。」という発言のほうにも憤りを覚える。

 この発言に対して、ひとことでいえば「お前はガキか」といいたくなる。戦争で亡くなられたかた誰もを気の毒に思うことは、みな同じである。戦争おいて原爆で亡くなられた方そうでない形でなくなられた方を差をつけて考えるようなことは、まともな人間であればするわけがない。また、そもそも両者の「気の毒さ」自体、比較して考える性質のものでもない。そういうことすら、彼はわかっていないのである。
 
 原爆が先の戦争において、特に悲惨なものとして取り上げられるのは、その殺戮手段のいいようのない「むごさ」の点にあるのである。ボタンひとつで何十万もの人間を焼き地獄の世界におとす、それが質的に人類犯罪ともいえる行為だからである。だからこそ「核」は究極的には「廃絶」すべきものなのである。北朝鮮やイランのみにかかわらず、どのような国家であってもそれを持つ「資格」などありはしない。北朝鮮やイランが核を持つことを非難される根本理由はそこにある。

 どんな独裁国家、どんな民主国家、どんな大戦勝利国であろうが、核をもてる資格のある国家など人類に存在はしない。「核(原爆)」廃絶の正当性の根源として、その歴史的実証となるものが「ヒロシマ」「ナガサキ」なのである。「ヒロシマ」「ナガサキ」それ自体が、核廃絶の正当性を示す根拠なのである。この歴史的実証の前では、いかに核保持の正当性を整合的に理論づけようが、それはただの屁理屈にすぎない。

 それが本質的に分かっていない(分かろうとしない)幼稚人間が久間氏であり「憲法上日本も原爆をもてる」といってしまう安倍首相なのである。そういう意味で、今回の久間氏の「しかたがない」発言は、今の安倍内閣の幼稚性的体質をあらわしているものといっていいのかもしれない。
by phtk7161 | 2007-07-10 19:27