社会問題を考える


by phtk7161
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次期防衛事務次官をめぐる守屋事務次官と小池防衛相の確執・・・その背後にあるもの

 防衛省の次期事務次官の人事をめぐり、守屋事務次官と小池防衛相の確執が表面化している。このことをある新聞記事が詳しく伝えているけれども、記事を読む限りはどうも小池サイドにたった記事である。他のメディアの多くの流れも、どうも小池サイドにたった記事がはやり多い。あの朝日新聞でさえ、小池防衛相が米国訪問で将来の総理候補として破格の待遇を受けているとの記事を書いている。

 これらの記事の真偽や意図はともかく、記事の伝えた守屋VS小池の確執の根底はいったいどこにあるのか。この両者の確執は、守屋次官にとって意表をつかれた次期次官人事の発表に端を発している。小池サイドは次期次官に警察庁趣出身の西村氏をたてるようだ。これに守屋氏側が反発している。一方で、実力は確かな守屋氏だがこれまでかなり強引な形で防衛省をひっぱってきたこと、あるいはたえず金銭にまつわるうわさがあることなどで彼に対する批判もある。冒頭の記事はこういった内容をとりあげている。

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 しかし私は今回の確執に関して、さらに次の点を指摘しておきたいと思う。それは防衛にまつわる防衛組織(軍)と企業との癒着の問題である。歴史的にみても日本でも古くはシーメンス事件があるし、戦後の政治家が直接関係した事件なら、自ら命をたった中島元文部大臣の贈賄事件がその典型的な例であろう。

 防衛が特に兵器関し金になる木である以上、商人達もこれに群がるのは当然ともいえる。そこに「国家のため」とのピュアーな面などありはしない(もっとも、それはそれでピュアーよりましな面もある・・・この分野のピュアーさはかえって民主的制度に対する危険につながる)。

 より多くの利益を生み出したい企業は、その目的に向けて影響力のある人物(政治家やフィクサー)に様々な手段で働きかける。映画「不毛地帯」はこの問題を描いものだ。ストリーはもちろんフィクションだが、しかし映画の指摘した根底の問題点は現実に存在している。

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 ここのところ防衛問題に使われているお金(直接、間接問わず)は、アメリカとの関係もあって莫大なものとなっている。構造改革で「官から民」のもと「無駄を省いて効率的に」を主張している政府だが、防衛に関する限りどうもその意気込みは低い。

 それは防衛に関する事柄が重要事項だとして秘密裏に扱われることで、そこがいかにも聖域化とされてしまうからである。国民の側もことが「国民の安全」に関わる問題(実は国民よりも、国自体そのものが政府のいう安全の対象なのだが)とされ、それに加えて兵器の適正価格の見極めの難しさ(兵器の値段などあってないようなもので、へたをすれば売る側と買う側の双方に都合のいい言い値である)などから、他の公的分野に比べなかなか突っ込みにくい面がある。だからそれだけ防衛に関する予算は(でもこれも結局は税金)、企業の標的(食い物)にされやすい。

 今回の両者の騒動。守屋退治に桃太郎的小池防衛相がのりだしたように見える話も、じつは両者の背後には防衛予算をめぐる企業(国内外を問わない)の存在があるといっていい。もちろん小池防衛相自身の、自らの将来への政治的野望をかけた防衛相残留への執念もあろうし、守屋事務次官の方も自らの防衛省での影響力を次官退任後も維持したいとの思惑もあろう。

 確かに守屋氏の時間在籍の期間は例外的(5年)で、彼に「防衛省は自分の省」だとするある種の思い上がりもあることは私も否定しない。今回の件で彼はそこを突かれたともいえる。しかしそうだとしても、記事となった人事をめぐる騒動、両者の思惑を考えればどちらが正しいかという次元の問題ではない。小池氏守屋氏どちらもドロドロの背後関係がある。今回の確執も結局は防衛をめぐる経済の主導権争いにすぎない。ようは利権をめぐる両者サイド(それぞれのバックにたくさんの応援団がいるはずである)の綱引きということである。

 
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by phtk7161 | 2007-08-13 21:39