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社会問題を考える


by phtk7161
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吉野家「テラ丼盛り付けのいたずら」・ケンタッキー「ゴキブリ(ウソ)」とネット社会の成熟性

  月曜の早朝ロシアの下院選挙とベネズエラの国民投票についてブログに書いたのだが、なぜか送信に失敗。けっこう力(りき)入れて書いたものだったので、気持ちがめげてしまった。その後再度同じものを書く気力もなくそのままである。いずれ機会があればこのテーマでまた書こうと思っている。みなさんも、送信トラブルにはお気をつけください。


 ところで話はかわるが、気になったニュースに「吉野家のテラ丼のニコニコ掲示」「ミクシィにおけるケンタッキーでのゴキブリのウソ」のふたつがある。両者ともバイト(元含む)の人間がいたずら感覚でやった(書いた)ものだが、それでことがすまないのが今のネット社会だ。会社名がはっきり分かる形でネットでことを扱えば、その影響は当然会社にも及ぶ。吉野家、ケンタッキーがすぐに事を起こした人物探しに乗り出したのも当り前だろう。


 本人たちはちょっとした遊び(あるいはジョーク・・・実はなっていないが)のつもり。確かにネットにのせず、身近な(バイト仲間やあるいは友達)間で今回のようなことをやったり(言ったりする)ことはある。そういう経験者もいるはずだ(人によってことのレベルはちがうだろうが)。ネットのない時代なら多くの場合ことはそれですんでいた。

 しかしネットが絡んでしまうとそれではすまない。いわゆる「便所の落書き」でも対象者は大きな影響をうける。「がきのいたずら」が、伝播していくという点ではメディア(週刊誌や新聞あるいはテレビ)に近い力を持つ。そして内容によってはネットに載せたもの(書き手)は・・・たとえば今回の件など・・・不法行為による損害賠償(それもかなり多額な)責任を免れない。

 外国がどうといいたくないが、これがアメリカなら場合によっては途方もない賠償金となるであろう。バイト君たちは「故意」に吉野家・ケンタッキーのイメージを低減させる内容を周知させる目的でネットに投稿しているから、敗訴は疑いようもない。

 子供(精神年令が)がやることに対しては、アメリカよりいくらか大人・・・(企業のほうやりすぎるとも大人気ないととられてしまうのを恐れている点もあろう)・・・の日本であるから、そこまでされないだけである。しかしこれからは分からない。場合によっては、行為者自身(あるいは家族)が財産を失ってしまうこともありうる。

         ☆        ☆        ☆

 ネットに載せる行為は、じつは成熟性を相当程度要求される。対人間の手紙や狭い範囲でとどまる「便所のらくがき」とはちがって、ネットの世界は広範囲の周知性をもつ。だから載せるせる以上、抗議されてもそれなりに「抗する」ことができる責任をもって載せなければならない。

 もっとも内容が権力者(機関)に関するものなら、私人間とは違いあるていどの揶揄(内容にもよるが)した表現も許される。それは権力のいきすぎをよく抑制するひとつの効果もあるからだ。この許容性がもはやないからロシアの今の「現実」がある。ロシアでは権力者に対する批判的表現の自由はもはや風前の灯となった。

         ☆        ☆        ☆

 十分大人なのにそれでも「がき感覚」の精神的に幼い人間が、自らの責任を意識せず面白感覚だけで違法の事実(法的意味での)をネットに載せる。残念ながらこれが今のネットの現実だ。

 当然野放しだといけないとの声はあがる。そこで規制。しかし権力とはやっかいなもので、前述した健全な「揶揄」や「権力批判」まで規制の網にかけようとする。そこがまた問題を難しくしてしまう。その原因は、どちら側にも「バランス」感覚に欠けた人間がいるからである。

 ネットに投稿する側は対象とする人(企業)の「個人の尊厳・・・(憲法13条あるいは「公共の福祉(私人間の権利調整)」への配慮がなく、取り締まろうとする側も「表現の自由(特に政治がらみの)」への配慮を書く。今両者ともにバランスのとれた「成熟」性が何より求められているといえよう。

  
by phtk7161 | 2007-12-06 17:13