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社会問題を考える


by phtk7161
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イラク戦争を止められなかったもの・・・ブッシュの強弁と過激な保守(国粋的)ブログの存在

  いまさらそう言うしかないんんだろうが、ブッシュがあいかわらず「イラク戦争は正しかった」と強弁している。イラク戦争から5年。多くの死者をだし、内政は混乱。宗教的内戦の危険や隣国トルコも巻き込んでのグルド人問題など難題は山積である。

   フセインが如何に独裁的で「悪」的役割の人物だったとしても、大量破壊兵器は見つからず・・・したがって攻撃の道義的理由もなく・・・人命への多大なる被害と、将来への深刻な問題をこれだけ山積させて攻撃することが正しかったか。答えるまでもない。イラク戦争は「アメリカによる完全なる誤った戦争」と歴史上間違いなく刻まれるだろう。

   こういうしょうもない戦争がなぜ起こったか。一番の原因はそれを支持したアメリカ国民にある。9・11以降アフガン攻撃までは、それなりに道義はあった。アフガンは刑罰権行使の延長線上として容認されるものだ(少なくとも私はそう考えている)。

   しかしイラク戦争は、理論的(法的)にも道義的にも、どこにも攻撃を正当化できる理由はない。肯定派が攻撃正当性の主張の唯一のよりどころとする過去の国連議決も、現の国連の意思の前ではただのたわごとにすぎない。しかしアメリカ国民は、そのことを冷静(というか冷静でなくとも気づくレベルのことだが)に考えることができなかった。

            ☆          ☆          ☆

   なぜそうなったか。一番の原因は、メディアやネットにおけるやはり馬鹿げた「国粋思想」の存在ということになろう。それは例えば「FOX」など保守的メディアや「2ちゃん」的思考のものが書く保守的ブログなどである。これがイラク攻撃を否定する冷静な良識あるアメリカ国民の声をかき消してしまった。そういう点では、ネットの普及はきわめて質の悪いお遊びを生み出してしまったといえる。

   この現状はアメリカのみならず他の諸外国(アメリカのみならず中国や韓国なども)そして日本ももちろんそうだ。あきれるほどの国粋的政治もののブログが乱立している。私はランキングなど何の意味もないと思っているからこういう遊びには参加していないが、それでも判でおしたように同じタイプの国粋的政治ブログが多いことには、あきれてしまう。

   もちろんこれが現の国民の意思でないことはいうまでもない。世論の多くに支持されていれば安倍政権は参議院選で惨敗することもなかったはずだし、世論調査でもタカ派政策への支持が圧倒的であってよいはずだからだ。でも現実はそうではない。ブログの思想的数値的偏りと現実での数値にはかなり乖離がある。

   そういう点みればネットのブログは結局は所詮お遊びにすぎない。しかしそのお遊びの連中がうみだした「タカ派ごっこ」は、一面ではアメリカではイラク戦争生み出す一因となった。そうして多くの生命を奪い去った。そのことはまぎれもない事実といえる。そう考えるときちんと立憲民主主義を維持していくためには、この手のブログをコンプレックス人間の遊びだからと気楽に考えてばかりもいられない。

   ネットでの政治の扱いが、「2ちゃん」的ノリのタカ派ごっこ遊びに化している限りネット(たとえばブログなど)で政治を扱う意味はない。それどころかむしろ人の尊厳(生命も含め)にとっては「有害」である。ネットを有害な「おもちゃを」として使い続ける人物が少なくなっていくか。その点に今後の政治参加のためのネットの存在価値はかかっているように思う。
by phtk7161 | 2008-03-22 10:16