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社会問題を考える


by phtk7161
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福田政権を弱体化させているもの・・・本来の役目を全うしない伊吹幹事長と町村官房長官の責任

  福田内閣の支持率が低い。特措法・年金・道路特定財源・イージス艦・日銀総裁など(それにしてもホント多い)問題続き、そのうえ参議で第一党を占める民主との協議がうまくいかないなかでは、この数字もしかたがない。もちろん問題の多くは福田内閣発足前からの問題であり福田首相に問題の原因があるわけではいが、しかし首相となった以上はそれでも解決しなければならない。昨日の会見もそれゆえの道路特定財源について09年度一般化の発表。彼なりの打開策なのだろう。

  衆参のねじれ現象のなかで問題の処理にあたるのは大変である。民主党との協議がうまくいかない限り、再可決に持ち込まないと法案は廃案になってしまう。しかし再議決にしても物理的に時間を要するし、またそれまでの過程次第では世論に強引なイメージがもたれる危険もある。そう簡単には乱発できるものではない。また大連立にしても今や画餅にすぎない(というよりそれ以前にこれは民主政治にとって絶対あってはならない形だ)。したがって、福田内閣にとって今の現状ではやはり、民主党との協議による解決が一番なのである。

           ☆          ☆          ☆

  ところがここまでの状況をみていると、この協議がまるでうまくいかない。原因ははっきりしている。首相を支えなければならないはずの伊吹幹事長と町村官房長官が、民主党との対決姿勢鮮明にしているからである。本来このポジションは内閣の要だ。主(あるじ)をささえる実務的に重要な番頭。このポジションの活躍次第で内閣の実績は決まってくる。

  しかし両者ともお殿様気分がぬけていない。ことに伊吹幹事長はひどい。一番首相のために汗をかかなければならない人間なのに、首相の指導力に問題があるかのような発言までしていた。これではなんのために幹事長になったのかさっぱりわからない。首相のために汗をかく気がないなら(問題解決のために時には野党に頭を下げる気がないなら)とっとと幹事長などやめるべきだろう。

  もともと伊吹・町村両者とも役人あがりだから、頭を下げるのは苦手だろう。そうであっても、一たんそういう地位になった以上、本来の役目にふさわしい行動をとることができなければそういう地位につくべきではない。態度だけは大物気取りの甘ちゃん2人を抱えた内閣では、福田首相もさぞ大変だと思う。

          ☆          ☆          ☆

  そもそも福田内閣は挙党体制をめざし派閥的バランスに配慮して造られた内閣だ。背後にはこれまた勘違いの仕切りたがりや森元首相もいる。しかし森元首相には、本人が思っているほどの影響力などない。ただ時の政治の流れに何とか遅れまいとしてその時々に調整的な発言をいうことで、なんとかそれらしい振る舞いをみせようとしているだけにすぎない。やっていることは的はずれなことばかりである。

  たとえば町村氏の官房長官就任は森氏の考えだったといわれる。しかし町村氏は官房長官就任時「なんで俺が福田の下で(官房長のポジションで)働かなければいけないのだ」と不満をもらしたとか。この不満の裏には派閥の会長の俺の方が福田より上だとも思いがあったからだろうと思う。こういう人物が実務に加え報道官的仕事もこなす官房長官についたのでは、内閣はまともに機能しない。完全に適材適所を誤った人事といえる。

  昨日の発表された案もつぶされる可能性が強い。支持率もあがらないままだと思う。しかしねじれ現象のなかでこの難局での政治をうまくこなせる人材が他にいるかというといない。アキバ系漫画大好き麻生氏などでは党はバラバラになりもっと絶望的だ。現状では、首相の自身の考えで首相の意図を汲んで野党と協議(対話)できる番頭(人材)を起用した内閣改造をすることが、一番望ましいといえる形だろう。ただそうさせてもらえるか。これもまた今となってはなかなか難しい。

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  福田氏に対する批判はこれからますます強くなることと思う。しかし小泉以降続いた馬鹿げたパフォーマンス政治ののひどさ、最近でも東国原・橋元知事などまだまだテレビ向け政治が続く中では、福田首相は時に不適切なことばもあるかもしれないが全体としてはかなりまともである。少なくとも「不真面目」さを感じさせない。そういう意味では自民党ではまだましな政治家といえる。彼をかえてかわりの政治家を使い、また自民党が馬鹿げたパフォーマンス政治でこの難局をしのぐことは時間の無駄といえる。彼でだめなら自民党はもう崩壊するしかない。

 福田内閣が退陣するとすれば、もう民主党の政権の誕生ということになる。その民主党にしたところで、議員の中には政策能力に欠けたただの目立ちたがり屋である議員も多い。民主党政権が誕生してもその状態は長く続かないだろう。しかし次の段階の政治に向けた流れという意味では、民主党政権の誕生は踏まなければならないステップである。その後は政界再編ということになる。

 ただどんな流れの形であっても、バランスを欠いた市場万能政治に酔ったりあるいは遊び感覚で「戦争ごっこ」をしたがる政権では政界再編の意味はない。そのためには最低限、馬鹿げたパフォーマンスにのっかる国民でないことを願うだけである。
by phtk7161 | 2008-03-28 16:13