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社会問題を考える


by phtk7161
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保坂展人議員にみる政治家の資質・・・巨大権力(政府・国家機関)と対峙する力

いろいろな問題が噴出している今の政治状況、当然のように政治家に対する見方は厳しい。議員(になる)のための議員も多い。しかし一方で、議員にふさわしい職責を果たしている議員もなお存在する。

たとえば保坂展人議員。彼などそうだと思う。ことわっておくが、私は別に社民党を支持してはいない。政権党の魅力に取り込まれたが最後、そのうまみに負け埋没していった政党などさして興味はない。だから保坂議員を評価するのは、あくまで彼の個人的資質においてである。

政治家には、いろいろなタイプが存在する。熱血活動型、調整型、迅速な特定問題解決のための専門知識・実務型。そして、こういうタイプがうまくからみあうことが、バランスのとれた政治には必要となる。ひとつのタイプによる型の政治家による政治だけでは、いびつな政治になるだけである。ただいずれの型の政治家でも、その根底にはある共通した能力が不可欠であると思う。それは、(巨大な)権力と対峙する能力である。

もともと議会(国会)というものの役割は、政府(行政)の行動をチェックしその暴走を防ぐことにある。したがって議会の構成している政治家は、政府・・・みかたによっては国家機関ともいえるであろう・・・と対峙することが時に求められる。どういう型の政治家であれ、民主的でよりよい政策を実現するために、時には政府(機関)と真っ向から対峙する度胸と能力(情報収集・専門能力)が、その根底になくてはならない。それがなくては、本来議員の職など到底勤まらないといっていい。

ソフトな性格であれハードな性格であれ、どういうタイプの政治家であっても、問題が生じた時には国家(権力)と対峙する偏屈このうえない政治家であることが必要なのである。そして保坂議員は間違いなくこの資質を備えているといえる。

時の趨(すう)勢に関係なく・・・たとえばそれと戦うのが自分ひとり(あるいは少数)であっても・・・体をはって(比喩的意味で)政府と対峙していくことができる政治家。もし国家と対峙することのできる政治家が一人もいなくなれば、行き着く先はあとは窮屈な差別化された社会が(たとえば昨今のロシアのような)まっているだけである。

昔も今も、こういう政府と対峙できる度胸と能力をそなえた政治家そう多くない。まして今のように政治が大きく変動する時期にあって、この手の政治家・・・ある意味偏屈な政治家・・・の存在はより必要である。政治が大きく変動する時期では、底の浅い他の多くの政治家は自分の地位の安定に精一杯で、有利な流れに乗ることに能力のほとんどを使ってしまう。到底権力と対峙することなど望めない。だから、偏屈な政治家は絶対必要なのだ。

参議院で野党が大勝する以前の与党が絶対多数(衆院3分の2)を占めるなかで、共謀罪は成立しなかった。この問題で、保坂議員の果たした役割は重要だったといえる。もちろんこの法案を防いだのは彼一人の力ではない。また彼一人できるはずもない。法案の成立阻止に力を合せて協力した他の党の議員や在野の人(メディア・市民)の力の集積の結果である。そういう意味では、ここで彼を取り上げたのはあげたのは・・・権力と対峙するという意味での・・・象徴的意味合いにすぎない。

ただもし保坂氏が議員でなかったならば、この問題での彼の活動能力は殆ど効力をもたなかったはずだ。その場合、流れによっては共謀罪は成立していたかもしれない。そう思うとぞっとする。

また近年その力を増幅している防衛省と自衛隊、その諜報的活動が少し前問題になった。そのなかでは、彼らが諜報の対象としている・・・彼らにとって都合の悪い・・・政治家・メディア・市民の存在も明るみに出た。その対象に保坂議員もはいっていた。

これは裏返して言えば、それだけの権力と対峙する活動を彼がこれまでやってきたということだ。それは前述した資質を彼が備えていることの証でもある。そういう議員だからこそシビリアンコントロールの観点(これこそ議会本来の役割である)から、問題が起きたときに防衛省や自衛隊とも対峙できる、実質的な活動を期待できるのである。

前回衆院選では、自民党の比例名簿登載数の関係で(自民党は比例全員の当選が決まっていたため、社民党に当選がころがりこんだ)漁夫の利的に当選した保坂議員。次回の衆議院選の戦いも相当厳しいものといわざる得ない。彼が落選すれば、喜ぶ権力機関は多いはずだ。どういう形でもいいから次回選挙でも何とか議員の身分も確保して、権力機関にとっての偏屈な議員として今後も活躍して欲しいと願っている。
by phtk7161 | 2008-05-28 12:10