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社会問題を考える


by phtk7161
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大分県教育委員会汚職事件・・・ゴマンとある職の採用に関する不正

大分県教育委員会の汚職が摘発された。事件の内容を見る限り確かに悪質である。1000点満点で100点差までも操作していていたのだから、これはもう「試験」とはいえない。試験は単なる「儀式」であったことになる。関係者には厳罰が下って当然と思う。

ただいっておきたいのは、この種の「コネ」「不正」はこれまで限りなくあったし、今でもあるということだ。私自身この種の「コネ」「不正」使う人間を、これまで幾度か目の当たりにしてきた。具体的にいちいち話すわけにはいかないけれど、教職員・地方の役所・国家公務員の採用について、この種のことについてあげていけばきりがない。

公的職業についた友人も、「使いたくないけど、議員や有力者を使わないとなかなかすぐには採用されない。だから親を使ってコネを使わざるを得ない」と自嘲気味に話していた。また受験や進級に関しても潔く「不合格」「留年」をうけいれるものがいる一方で、身内のコネを使い不正にそれをクリアするものもいた。知ってる馬鹿の一人は、そのことをさも自慢げに話すのであるから、これはもう何をかいわんやである。

最近ではそういう露骨な不正はだいぶましになっているのかもしれないと思っていたが、今回の事件をみると昔と実体はさほどかわっていないといえる。決定権に影響力をもつものが馬鹿親の(身内)依頼に応え、相手に貸しを作り自らの利益の確保を図る。馬鹿議員の口利き構図で言えば、依頼対象の陳情を聞き票につなげるという形が典型である。

この種の「コネ」や「不正」許されないのは、それが国家的法益に反するからだけではない。法律的に言えば確かに贈収賄における職務の公正・信頼あるいは清廉性・不可買収性から許されないことが理由となるのだろうが、そんな理屈よりもっとシンプルにいえばその行為がまさに「アンフェアー」だからである。

そのアンフェアーな行為が、本来正当に採用を勝ち取その職務につけるはずの人間を不合格とし、結果その人間に別の人生を歩ませる。カネを受け取ろうが受け取るまいが、「コネ」「不正」に手を貸し特定の人間を優遇した事実が存する限り、その行為は明らかに煽りを受けた人間の(本来合格となるはずの人間)の人生を変えてしまうのである。

それは贈収賄が成立するか否かの問題ではない。それは人権上の(憲法14条や13条)の問題である。公平であるべき事柄・・・たとえば今回のような公的な採用試験もそうである・・・について、ある人間が平等に扱われずその人間の尊厳が守られていない(客観的基準をクリアしたはずなのにそれが正当に評価されない)。だからこそ問題なのである。

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ところで今回の摘発については、その背後で政治的思惑があることもとりだたされている。私が知る例でいえば、選挙をおえたばかりのある長について、役所の採用に絡み不正行為の怪文書が出て政治問題に発展しドロドロの状況となったことがある。この件が笑えなかったのは、その事件があかるみになった原因が、これまた「コネ」「不正」を使いながら落とされた側からの暴露であったことである。この件のようにこの種の事件の摘発が選挙に絡んで行われるケースも珍しくない。

今回の事件についても、その背後でいろいろな憶測がとびかっている。例えば「日教組つぶし」もそのひとつだ。もともと大分県教育委員会と日教組は、他県に比してわりに近い関係にあった。その点を絡め、政治的にも今回の事件を追求しようとする動きである。

そうしたことからすれば、当然今回の事件について保守(国家)主義的者は喜んで「日教組が・・・」と批判するのだろう。しかし私に言わせれば、この手のことの場合むしろ保守的人物が絡んだ不正のほうが多いといえる。少なくとも以前から保守的議員による役所採用関係の不正は圧倒的である。「現なま」をあるいはいずれはそれにつながる「利益」を手にした地方議員(もちろん国会議員もだが)がどれほどいることか。そうやって彼らもこれまで、正当に採用されるべきはずの人間の人生を変えてきたのである。

大分の教育委員会の関係者は徹底的に叩かれるべきだ。激しく追及して欲しい。そしてそれと同じように、この際「現なま」の絡みにかかわらず「コネ」「不正」による役所採用(特に地方の)の実体も厳しく追求すべきである。公的(関連の)職務について、その試験の「公正さ」のありかたについて徹底的に見直すことである。そうでないと今回の事件も、結局は「政治がらみ」の摘発にすぎなかったということになる。

具体的には、採用試験に関しては口利きを禁止し、合否に関しダブル(トリプル)のチェックを入れ100パーセントの透明性(その時自治体とは関係ない独立行政委員会的な第三者的監視委員会的なものを設けて)をはかる。そして不正に関わったものには、執行猶予のつかない最低期間の懲役刑(4年)を科すことである。そうやってはじめて「フェアー」な試験といえる。それが(地方の)議員さん達にできるだろうか。採用に関しすねに傷を持つ議員さんも少なくないだろう。

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ここまで読んできて「お前そんな偉そうなことをいえるのか」と思う人もいよう。所詮「お前にコネがなかったやっかみだろう」と。しかし親のコネはあった。卒業時の就職に関し使おうと思えば使えた。ただ根がひねくれているせいもあるが、もともとこういうやり方は体質が受けつけない。どうみても「アンフェアー」で「ずるく」けったクソがわるいのである。それは当たり前のことだ。

だから兄弟全員この種のコネは決して使わなかった。親は大いに不満だったようだ。でもおかげで、兄弟ともに堂々と人生を生きていられる。知人や身内を通じて誰かに職のことで借りを作り(コネを頼み)その人間に対し・・・こういうやつは大抵しょうもなく威張ったやつが多い・・・特別かしこまることもない。試験的もので他人と競うことに関して「パパ(ママ)なんとかして」「おとうちゃん(おかあちゃん)なんとか助けて」なんて、いい成人すぎの人間がそんなこといってられるか。そういうことである。

馬鹿親の頼みを聞いてコネ人間ばかりいれ、結果凋落した企業もある。「現なま」の有無は関係ないとすれば、これまで試験的なものに際しアンフェアーな形で本来の合格者を蹴落とした人間(民間も含めればなおさらである)は、この世の中にゴマンといる。そういう点は今回の事件を批判するうえで、みんなで認識しておかなければならないことであると思う。それを認識しこういった風潮をなくすことが、またあらたな社会の進歩にもつながっていくのである。
by phtk7161 | 2008-07-11 01:42