たまには趣向をかえて・・・個人的思い込みによるボクシング談義です
2008年 07月 25日
本当にいやな事件が多い。政治状況もなんだかなという感じ。オバマの政治家としてのメッキもはげつつある今日この頃、このブログは社会問題を書くことをテーマにしているから、本来なら今回もそういったテーマをとりあげて書くべきだと思う。
しかし、こう通り魔的ないやな事件が続くと・・・今の日本のすさんだ現状をみせつけられているようで・・・さすがにブログを書くのもめげそうになる。そこで今回は気分転換の意味も含めて、本来の分野とは関係ないテーマで書いてみようと思う。テーマを見て興味のない方は、もちろんスルーしてください。
というわけで何を書くかというと、ボクシング。好きなスポーツなので、今回これをテーマに書いてみたい。個人的な思い込みによる内容になってますが、この点についてはどうぞご勘弁ください。
☆ ☆ ☆
みなさんは、どういうボクサーがお好きだろうか。やはり人気があるのは、KOキング的なパンチのある選手だと思う。これは野球で言えばホームランをボカスカ打つ選手のようなものだ。だから時にジム関係者やプロモーターは、人気選手をつくりだすために、目をつけた選手にかませ犬的選手ばかりをあてがい、KO記録を伸ばしていくという手法を取る。
しかしこれも程度問題で、あまりに露骨すぎると例の亀田兄弟みたいにしらけてしまう。やはり対戦相手としては、ロイヤル小林や赤井が戦った相手レベルは維持してほしい。そうでないと何の裏づけもなく無駄にKOの数字がふえただけにすぎない。そんな数字に何の価値もありはしないのだ。
外国のボクサーでKO的な意味で記憶に残る選手としては、カーロスサラテ、アルフォンソサモラ、トーマスハーンズ、ホセクエバス、ウィフレッドゴメス、アルゲリョ、フォアマン、ロベルトデュラン、そしてシュガーレイレナードこういったところか。
おなじKOキング的ボクサーでも、タイプは2種類に分かれる。フォアマンは重いパンチで「ズシッ・ズシッ」というタイプだし、サラテやレナードはピンポイント的に急所を「スコーン」というタイプだ。スピードタイプというべきか。もっとも階級の違いも当然影響する。重いクラスになるほど、文字通り重いパンチで肉弾戦のケースが多くなるのは当然といえば当然かもしれない。
ところで人気ボクサーの条件であるが、やはり女性ファンまでひきつけるには、残念ながらパンチがあってKOを積み重ねるだけでは足りない。別の魅力も必要となる。
たとえばビジュアル。日本人ボクサーでいえば、シンデレラボーイと呼ばれた西条正三はとにかくカッコよかった。外国でのノンタイトル戦の勝利から世界戦のチャンスを掴み、タイトル奪取に成功した(同じく外国で)経歴もそれに華を添えていた。端正なマスクはとてもボクサーにはみえなかった。顔立ちは今でも数ある日本人ボクサーの中でNO1といえるのではないか(あくまで個人的見解だが)。もちろんビジュアル的な人気も、世界チャンピオンになる実力があったからこそなのはいうまでもない。
ビジュアルではなくても、雄弁・・・おしゃべり・・・というパフォーマンスで人気を博したボクサーも居る。いうまでもない、あのモハメッドアリ(=カシアスクレイ)である。彼のおしゃべりは単なるそれに過ぎない場合もあるが、時に政治的なメッセージも含んでいた。徴兵拒否をして散々メディアに叩かれたが、復帰後の戦いで結局は世論に打ち勝つことになる。復帰戦のジョーフレイジャー戦こそダウンを奪われ判定負けを喫したが、その後のフォアマン戦でのKO勝利により見事にチャンピオンに返り咲いた。彼のリングでの戦いは、彼の生き様そのものだった。
復帰前のアリはスピードタイプのボクサーでだったが、復帰後のアリはどちらかといえば泥臭いタイプ・・・駆け引き・・・のスタイルだったといえる。もちろんパンチ力もないわけではなかったが、決してKOを量産するタイプのボクサーではなかったといえるだろう。しかしもちろん強かった。その実力とおしゃべり的なパフォーマンス・・・政治的意味も含めた・・・があわさって、ボクシング史上というより社会歴史上という意味でも名を残す名ボクサーであることは間違いない。
☆ ☆ ☆
で、あなたの一番かっこいいと思うボクサーは誰と問われれば、私はやはりシュガーレイレナードをあげたい。アマチュア時代から注目され、金メダリストにもなった華麗な実績・・・ちなみにアリもそうだった。プロの入ったときから、すでに別格の扱いだった。順調に世界チャンピオンへの階段をかけあがり、まさにスパースター。マスクも端正で、そのボクシングスタイルはスピードにあふれていた。その存在は、人が夢として自分がこういうチャンピオンになりたいと思うモデルといえた。
私が彼の実力を思い知らされたのは、なんと言ってもトーマスハーンズ戦(初戦)である。この試合私は正直ハーンズのほうが有利だと思っていた。所詮カッコよさが売りのボクサー。トーマスの長いリーチからの矢のようなパンチをそうかわせるわけがない。いずれはリングに沈むだろう。そう思っていた。事実どちらかといえば、出だしはハーンズ有利だった。ただこの恐ろしいまでのハーンズのパンチをかいくぐり、一瞬の隙を狙ってレナードのパンチが見事ヒットする。その後の怒涛の攻撃。そしてKOされたのは、あのハーンズのほうだった。
ハーンズの強さは、それまでの彼の戦を見れば分かる。驚くほど長いリーチからのそのパンチ力は2つ3つ上のクラスの破壊力持っているのだ。そのうえ恐ろしいまでのスピード。あのデュランででさえ一発でマットに沈んだのだ。だから彼自身がすでにとてつもなく無敵のボクサーであった。彼を相手にまぐれで勝つことはまず無理な話である。しかしそのハーンズがKOされた。その事実の前では、私はレナードの実力に脱帽するしかなかった。彼はかっこよさだけでなく実力もまた超スーパースターであったといえる。
もっともレナードの実力は、このときがまさに絶頂期だった気がする。その後はスパースターらしからぬ試合もけっこうあった。しかし実力、ビジュアルなどあらゆる面から総合的に見て判断するなら、トーマス戦勝利時のレナードほどかっこいいボクサーはいない。アリ・フォアマン戦やアモレスと大場・チャチャイ戦も確かにスリリングでエキサイティングな試合であったが、やはりそれは本来のボクシングの持つ肉弾戦的泥臭さをもっていた。
しかしトーマスハンズとレナード戦は、それとはまた別世界のボクシングがなされれていたような気がする。それはまさに超スパースター同士の試合だったからこそ、なしえたものなのだろう。そこはボクシング本来の肉弾戦的泥臭さの消えた、次元の違うスピードのパンチが交差する華麗な別世界だった。そしてこの試合の勝者となったからこそ、シュガーレイレナードには世界中で一番「本当に強くかっこいいボクサー」としての称号を与えられるべきだと思うのだ。
しかし、こう通り魔的ないやな事件が続くと・・・今の日本のすさんだ現状をみせつけられているようで・・・さすがにブログを書くのもめげそうになる。そこで今回は気分転換の意味も含めて、本来の分野とは関係ないテーマで書いてみようと思う。テーマを見て興味のない方は、もちろんスルーしてください。
というわけで何を書くかというと、ボクシング。好きなスポーツなので、今回これをテーマに書いてみたい。個人的な思い込みによる内容になってますが、この点についてはどうぞご勘弁ください。
☆ ☆ ☆
みなさんは、どういうボクサーがお好きだろうか。やはり人気があるのは、KOキング的なパンチのある選手だと思う。これは野球で言えばホームランをボカスカ打つ選手のようなものだ。だから時にジム関係者やプロモーターは、人気選手をつくりだすために、目をつけた選手にかませ犬的選手ばかりをあてがい、KO記録を伸ばしていくという手法を取る。
しかしこれも程度問題で、あまりに露骨すぎると例の亀田兄弟みたいにしらけてしまう。やはり対戦相手としては、ロイヤル小林や赤井が戦った相手レベルは維持してほしい。そうでないと何の裏づけもなく無駄にKOの数字がふえただけにすぎない。そんな数字に何の価値もありはしないのだ。
外国のボクサーでKO的な意味で記憶に残る選手としては、カーロスサラテ、アルフォンソサモラ、トーマスハーンズ、ホセクエバス、ウィフレッドゴメス、アルゲリョ、フォアマン、ロベルトデュラン、そしてシュガーレイレナードこういったところか。
おなじKOキング的ボクサーでも、タイプは2種類に分かれる。フォアマンは重いパンチで「ズシッ・ズシッ」というタイプだし、サラテやレナードはピンポイント的に急所を「スコーン」というタイプだ。スピードタイプというべきか。もっとも階級の違いも当然影響する。重いクラスになるほど、文字通り重いパンチで肉弾戦のケースが多くなるのは当然といえば当然かもしれない。
ところで人気ボクサーの条件であるが、やはり女性ファンまでひきつけるには、残念ながらパンチがあってKOを積み重ねるだけでは足りない。別の魅力も必要となる。
たとえばビジュアル。日本人ボクサーでいえば、シンデレラボーイと呼ばれた西条正三はとにかくカッコよかった。外国でのノンタイトル戦の勝利から世界戦のチャンスを掴み、タイトル奪取に成功した(同じく外国で)経歴もそれに華を添えていた。端正なマスクはとてもボクサーにはみえなかった。顔立ちは今でも数ある日本人ボクサーの中でNO1といえるのではないか(あくまで個人的見解だが)。もちろんビジュアル的な人気も、世界チャンピオンになる実力があったからこそなのはいうまでもない。
ビジュアルではなくても、雄弁・・・おしゃべり・・・というパフォーマンスで人気を博したボクサーも居る。いうまでもない、あのモハメッドアリ(=カシアスクレイ)である。彼のおしゃべりは単なるそれに過ぎない場合もあるが、時に政治的なメッセージも含んでいた。徴兵拒否をして散々メディアに叩かれたが、復帰後の戦いで結局は世論に打ち勝つことになる。復帰戦のジョーフレイジャー戦こそダウンを奪われ判定負けを喫したが、その後のフォアマン戦でのKO勝利により見事にチャンピオンに返り咲いた。彼のリングでの戦いは、彼の生き様そのものだった。
復帰前のアリはスピードタイプのボクサーでだったが、復帰後のアリはどちらかといえば泥臭いタイプ・・・駆け引き・・・のスタイルだったといえる。もちろんパンチ力もないわけではなかったが、決してKOを量産するタイプのボクサーではなかったといえるだろう。しかしもちろん強かった。その実力とおしゃべり的なパフォーマンス・・・政治的意味も含めた・・・があわさって、ボクシング史上というより社会歴史上という意味でも名を残す名ボクサーであることは間違いない。
☆ ☆ ☆
で、あなたの一番かっこいいと思うボクサーは誰と問われれば、私はやはりシュガーレイレナードをあげたい。アマチュア時代から注目され、金メダリストにもなった華麗な実績・・・ちなみにアリもそうだった。プロの入ったときから、すでに別格の扱いだった。順調に世界チャンピオンへの階段をかけあがり、まさにスパースター。マスクも端正で、そのボクシングスタイルはスピードにあふれていた。その存在は、人が夢として自分がこういうチャンピオンになりたいと思うモデルといえた。
私が彼の実力を思い知らされたのは、なんと言ってもトーマスハーンズ戦(初戦)である。この試合私は正直ハーンズのほうが有利だと思っていた。所詮カッコよさが売りのボクサー。トーマスの長いリーチからの矢のようなパンチをそうかわせるわけがない。いずれはリングに沈むだろう。そう思っていた。事実どちらかといえば、出だしはハーンズ有利だった。ただこの恐ろしいまでのハーンズのパンチをかいくぐり、一瞬の隙を狙ってレナードのパンチが見事ヒットする。その後の怒涛の攻撃。そしてKOされたのは、あのハーンズのほうだった。
ハーンズの強さは、それまでの彼の戦を見れば分かる。驚くほど長いリーチからのそのパンチ力は2つ3つ上のクラスの破壊力持っているのだ。そのうえ恐ろしいまでのスピード。あのデュランででさえ一発でマットに沈んだのだ。だから彼自身がすでにとてつもなく無敵のボクサーであった。彼を相手にまぐれで勝つことはまず無理な話である。しかしそのハーンズがKOされた。その事実の前では、私はレナードの実力に脱帽するしかなかった。彼はかっこよさだけでなく実力もまた超スーパースターであったといえる。
もっともレナードの実力は、このときがまさに絶頂期だった気がする。その後はスパースターらしからぬ試合もけっこうあった。しかし実力、ビジュアルなどあらゆる面から総合的に見て判断するなら、トーマス戦勝利時のレナードほどかっこいいボクサーはいない。アリ・フォアマン戦やアモレスと大場・チャチャイ戦も確かにスリリングでエキサイティングな試合であったが、やはりそれは本来のボクシングの持つ肉弾戦的泥臭さをもっていた。
しかしトーマスハンズとレナード戦は、それとはまた別世界のボクシングがなされれていたような気がする。それはまさに超スパースター同士の試合だったからこそ、なしえたものなのだろう。そこはボクシング本来の肉弾戦的泥臭さの消えた、次元の違うスピードのパンチが交差する華麗な別世界だった。そしてこの試合の勝者となったからこそ、シュガーレイレナードには世界中で一番「本当に強くかっこいいボクサー」としての称号を与えられるべきだと思うのだ。
by phtk7161
| 2008-07-25 00:35