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社会問題を考える


by phtk7161
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大分県教職員(去年採用者のみ)の解雇の不公正さについて

産地偽装、消費期限の偽装、手抜き工事、試験における口きき、コネ採用、明らかにおかしなことなのに、これまで「それが業界の常識」「世の中ってものは・・・」てことで見逃されてきた馬鹿げた常識が如何に多かったことか。でもだんだんそれを、文字通り間違っていることといえる時代になりつつある。

大分県教育委員会に端を発した教職員採用汚職事件。この件で去年不正合格者したものが解雇されることとなった。処分を下した側は、解雇は不正を行なったことの当然の帰結と考えたのであろう。でももしそうなら、こうもいえる。大分の去年採用の(不正のあった)教職員だけを解雇すること、それもまた公正なことではないと。

すでにブログで述べたが、教職員のみならず自治体の職員(都府県庁、市町村の役所の職員)など公的職員採用についての不正はまだ他にも明らかに存在している。だから不正があればこれらの職に関しても、本来は調査し解雇された彼らのように同じ処分をやるべきなのだ。そうでないと、今回の彼らは結局人身御供にすぎない。これは公平なあり方ではない。

公的職務の採用について、その「公正さ」に関する問題の根は深い。それは以下の出来事からも見て取れる。文部省が地方の教育委員会に試験のあり方に関して点検を求めたという。その中で試験の公表を渋る県が2つあった。山梨と宮崎である。宮崎のほうは公表検討中ということだが、あきれたの山梨県。この期に及んで、(公表すると)試験対策に使われるという例のごとくのわけの分からない屁理屈で公表しないと明言している。

教職員の採用、昇進の不正に関して明かしたメールが文部省に28件とどいたそうだが、その中に山梨県についてのメールもちろんあった。試験を「公正」に行なうための方策を、この期に及んでも拒否するその神経私には理解できない。

でもそれくらい、山梨の口利き政治家や有力者はやっかいな連中だということだろう。こうなると不正の判断を下す側(採用側)より、口利きをする連中を徹底的に叩いたほうが是正の早道のような気もしてくる。それこそメディアの出番である。だいたい公的職員の採用の口ききなど政治家の仕事ではない。政治家の第一義的な仕事は「立法」行為とそのための調査行為である

公的職員の採用試験のあり方については、文部省だけではなく自治省も各自治体での試験の「公正・中立」について、調査に積極的にのりだしていいはずである。もう時代は、不公正をそのまま放置できる時代ではないのだ。それに気づかないなら、自治省の役人など存在しても意味はない。過去を処分すると混乱するというなら、せめて今年以降の採用試験について「公正」をめざしていはずである。しかしそういう話は聞かない。今回の出来事についても、自治省は他人事のようである。

もう馬鹿親とその馬鹿息子・娘のために公的職を世話する時代ではない。当たり前におかしいことはおかしいという時代になったのだ。たとえば、それは政治家も同じ。2世3世がダメだとは言わないが、やはりあまりにも多くなりすぎた。もうそろそろこれを機会にそれぞれの世襲政治家の質についても見直すときなのではないか。それもまた広い意味で、今回の事件の教訓とすべきと思う。
by phtk7161 | 2008-09-10 08:07