社会問題を考える


by phtk7161
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テロの要因とその構造の本質。インド同時テロに思う・・・テロ問題の解決の道をめざして

インドでおきた同時テロは、イスラム過激派組織「ラシュカレイトバ」の犯行との見方が有力になっている。ニュースでこの種の事件が伝えられるたびに思うことは、アメリカで起きた9・11と同じ悲劇は世界中でおきているということだ。

もちろん死傷者の規模においては、アメリカの同時多発テロと今回のテロとは同じとは言えない。しかし罪のない人間が、政治信条にかこつける者(人・組織)の行為によって命を奪われていく点ではその本質は同じである。この悲劇は、インドだけでなくパレスチナやイスラエルではもちろんのこと、内戦をくりかえすアフリカの国など9・11以前からそして今に至るまで日常化して起きていることだ。

机にすわってニュースを目にする私たちは、時にその事実を目にすることがあるけれども、事件の質に目をむけ感情をいれる・・・驚き・怒り・悲しみを覚える・・・ことはない。ただ「ああそうか」と思うだけである。

9・11は規模において未曾有のものだったから、あるいはアメリカだったから事件に対し多くの人が感情をいれた。しかし私たちが考えていかなければならないのは、テロの規模ばかりに目を奪われずにテロ事件の本質・・・原因・構造・・・を知りその解決法を見つけていくことである。

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今回のようなテロの要因にはさまざまなものがある。貧困・人種・宗教・領土・行政とテロ組織の関係・テロ組織の中心者の組織内部での自己の地位の保全・武器産業の暗躍(カショギ的ブローカーも含めた)などあげていけばきりがない。

しかし事件を起こす直接的な構造の本質、それは政治と物理的暴力をもつ組織(合法・非合法を問わない)のリンクそれにつきる。この両者の合体が強ければ強いほど暴力組織の政治への介入がすすめばすすむほど、事件は頻繁に引き起こされることになる。それはすなわち、平穏な日常生活の剥奪を意味する。

シビリアンコトンロールの問題も突き詰めていけば、この問題とつながっていく。今回の事件もパキスタン側の諜報組織と「ラシュカレイトバ」との関係がとりだたされている(パキスタン側は否定しているが)。

地理的構造で日本とは異なる(というか海に囲まれた国家のほうがむしろ特殊である)国家では、隣国への移入は比較的容易・・・環境的に暴力的攻撃をしかけやすい・・・であり、そこに宗教や領土問題が絡むと、絶対化された主観的動機による暴力的土壌をうみやすい。そうなると政治遂行者にとっても「暴力組織」の存在を無視できず、あるいは反対にそれを利用してしまうことになってしまう。この構造がある限り、テロ的問題の解決は相当に困難である。

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それでも私たちはこの問題と戦っていかなければならない。シビリアンコントロールを世界的に普遍化し、国際政治の舞台でも「理」の原理・・・討論・・・が絶対であることを植えつけていなかければならない。

そのためには、一つの国家だけの大勝をよしとする国家観を捨て去り、あらゆる国家に人格を成熟させる教育・・・自らにも相手にも個人の尊厳のあることを理解させる教育・・・の環境づくりを可能にする経済力をもたせることが重要となる。

人生は運命だが・・・どこの国家に生まれるかも運命だが・・・しかし質において人間のくじ引き的な人生のありかたを変えていくのも人類の叡智である。自由主義を前提とする福祉国家の理念も歴史の経験則から得た人類の叡智といえる。国家の枠を超えた世界的な福祉国家観のありようは、世界的な貧困の問題の解決にもつながっていく。そのことがひいては「政治」から「暴力」の関与を排除した形での国家のありかたを可能にする。

世界的に危機的な経済状況の中でひとつ得るものがあったとすれば、それはアメリカにおいて福祉国家の萌芽がみえてきたことである。もちろんそれは正面的にではないが、少なくとも馬鹿げた一人勝ちをの形を修正し広く普遍的な層の向上を目指していくという点では、質的に置いてまさしく福祉国家といえる(いやそれは小さな政府の緩和を意味するだけだという人もいようが、両者の理念で重要なのは、できるだけ多くの人間に平穏な生活がおくれることを可能にすることである。)。

ブッシュはテロ問題を「力」のみで解決しようとした。しかしイラクで大きな過ちを犯し失敗した。今オバマを大統領とする新しいアメリカは、「力」のみの解決の限界を学び福祉国家の理念(萌芽)を取り入れようとしている。

もしアメリカ国民がしこれにより他者へのいたわりをいくらかでも学びだせば・・・馬鹿げた一人勝ちの愚かなことを学びだせば・・・・そしてそれを国際的な舞台でも取り入れるようになれば、ひょっとすると今回のようなテロの問題も別の角度からみることで、解決への糸口が開かれるかもしれない。

たとえ経済的に弱体してもそこはアメリカ合衆国。この国が世界に与える影響は大きい。新しいアメリカがよい風を世界に送り出せば、世界平和は少しずつだが進歩に向かって確実に進みだすはずだ。世界的なテロ問題の解決のためにも、アメリカにはぜひそうしてほしいと私は願っている。
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by phtk7161 | 2008-12-09 08:31