社会問題を考える


by phtk7161
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2007年 11月 05日 ( 2 )

  (その1)で小沢氏の今回の行動に対する反対の理由をのべた。それはそれとして、ここではあらためて小沢氏の考えと参議院選出の大きな勝利による立憲民主主義への彼の貢献度についてのべておきたい。

 私のブログを読んでもらえば気づかれると思うが、実は9条解釈に関し私と小沢氏の見解はほぼ同じである(と思う)。私は小沢氏の本は一度も目を通したこともないし、彼のホームページも見たことはない(あるのかどうかも知らない・・・多分あると思う)。ただ憲法を真面目に学んだ点では彼も私も同じであるということだ(だからといって、これ以外の解釈は認めないという趣旨でないことはもちろんである。たとえば自衛隊の海外派遣を一切認めない・・・他の形による組織ならOKという見解も含め・・・とするのもひとつの見解であろう。)

 9条による平和の重要さと、そのうえで政治に不可欠な要素である妥協(調和)点をめざして導き出したのが、国連を機軸とした自衛隊(乃至は自国の国連用の部隊)の派遣の要件設定である。これによりわが国が侵略戦争へ加担することを防ぎ(したがって集団的自衛権は認めない・・・集団的自衛権の形では侵略戦争に加担する危険は十分にある。イラク攻撃をみれば明白であろう)一方で治安維持を含めた平和のための国際協力を実現していく。

 ようするにイラク戦争があった以上、アメリカオンリーの形からある程度は国連のほうに比重を移すべきだということだ。その根底には自衛隊を侵略戦争に加担させてはいけないとの思いがある。今のままの歯止めのない形でのなし崩し的な自衛隊の派遣ではなく、国連を基軸にした形で要件を設け自衛隊の派遣に歯止めをかけようということである。これは文民統制の維持にもつながる解釈である。

        ☆        ☆        ☆

 このように私は小沢氏の考え方には「共生」(自由主義前提とした福祉国家)の理念を含め共感するところも多い。9・11時に米の大統領が歴史上最悪の大統領であろうジョージブッシュだったタイミング、そのときに劇場的パフォーマンスの首相小泉が同時期に誕生し衆議院選で歴史的大勝をしたこと、これに一部の国粋的メディアと政治家(安倍元首相など)があらぬ方向から政権内外で加わり、結果として(実際の民意はともかく)一時期日本の立憲民主主義は相当危ない状況に陥った。

 参議院選でもし与党が勝っていたら、日本の立憲民主主義はもう終わりだったと思う。法治国家を軽視した形で、憲法改正や集団的自衛権が実現することで、自衛隊の海外進出は歯止めなく進み、その過程で文民統制も相当危ういことになっていたはずだ。いずれは徴兵制につながる法案も十分にありえた。その一方では「テロ対策」の名目で国民の自由を簡単に制約できる共謀罪などの法律が作られ、国民の「食う」レベルの生活だけでなく「自由」を享受する生活も相当窮屈になっていたのは間違いない。
 
 この危機的状況を脱するには参議院選で大勝するしかない。そしてこれは基礎票を固めた上で地道な選挙戦略を行うことのできる小沢代表以外にはなし遂げられなかったと思う。なぜなら民主党議員の多くは少なくとも当時は風を吹かせる(小泉劇場的な形で)ことばかり考えるものが多かったといえるからである。そういうなかで都会派的思考をもつ議員の「古い」「過疎に行ったところで票なんかかせげるか」という冷笑をあびつつも、彼は「生活」を中心に据えることで安倍政権との対立軸を作り上げ参議院に大勝した。

 そういう意味では、小沢氏の参議院選大勝の功績はことのほか大きい。それはおおげさでなく日本の立憲民主主義の救世主ともいえると思う。実際参議院戦後与党の不祥事(防衛省、厚生労働省など枚挙に暇がない)が次々に発覚した。与党が参議院選で勝っていたら、ここまで不祥事があきらかになることはなかったはずだ。

 で今回の辞任劇。彼なりに悩んだ末の結論であったと思うが、少なくとも次期衆議院選までは小沢氏には与党との対決姿勢の形で行って欲しかった。代表辞任は残念である。しかし決め以上彼のことだから、やめるのは間違いない。

 個人的いえば、民主党の新たな次期代表(暫定的でない)には岡田氏が適任だと思う。参議院選で「生活」重視で勝利したことを思えば、岡田氏の前回衆議院選での小泉劇場による敗北は決して大きなマイナスではない。時がたった今なら、当時彼のいっていたことの正当性(小さな政府的面ばかりではダメだということ)を今なら有権者にも十分理解してもらえると思う。また彼も国連基軸の考えであり、集団的自衛権の考えはとっていない。そういう意味で、今の民主党には一番バランスの取れた代表になりうると思っている。
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by phtk7161 | 2007-11-05 04:03
 前回のブログで大連立の挫折の件について書いたが、時を経るまもなく小沢代表の辞任である。前回から1日経過していないけれど、ことがことだけに小沢氏辞任の件に関し書かざるを得ない。

 昨日の記者会見は最初から最後までテレビで見ていた。今まだ深夜1時過ぎであるし新聞による要旨も当然読んでいない。したがってメディアによる都合のいいところ悪いところを省いた状態で読まされる(みせられる)危険のない、ライブでの記者会見の全てをみた私の感想を書きたいと思う。

  小沢辞任の理由は次のとおり。ビデオをとってくりかえしみたわけではないから、私なりの言葉(彼の趣旨から離れていない範囲で)で表現した部分はご容赦を。

 (1)法案提出しても衆院で与党が多数である以上、参院選で有権者に約束した生活重視の政策が実現できない。しかし今の状態で次の衆議院選を戦ってみても民主はまだまだ力不足で勝てない可能性が強い。つまりは有権者との約束を今のままでは果たせない。しかし連立すれば、それにより法案を成立させることができ選挙時の有権者との約束を果たせることになる

 (2)かねてから自分の念願である国連決議に基づく自衛隊の海外派遣を福田総理が飲むといってくれた。これは自民党のかねてからの憲法解釈をかえるもので、私自身は高く評価した。このひとつとっても政策協議に入る価値がある。福田氏は連立を組んでくれるなら特措法はあきらめるとまでいってくれた。この誠実な姿勢を私は高く評価したい。

 (3)民主党の責任権党(政権党)としての実力不足がよく指摘される。私も今一歩力不足だと思う。そこで民主党が連立政権にはいることで責任政党としての実績を培うほうが民主党にもよいと考えた。この過程を経たうえで国民の支持を得ることにより、いずれは単独政党の形で政権党となることができる。そういう意味から、今回連立政権が実現すれば私の悲願である真の意味での二大政党制の実現に近づくことになる。これは日本の民主主義のためにも必要なことだ。

 (4)連立の呼びかけについて「小沢代表のほうからの呼びかけ」という報道が日経朝日以外のメディアで報道された(主に読売、産経か?)。しかしこれは明らかな間違いであり、よびかけは政府(福田総理)のほからだ。しかし多くのメディアは政府与党サイドの議員の話をそのまま鵜呑みにして(乃至はうそだと分かっていて)報道している。

 私自身もまた私の秘書もこの件に関し、間違った報道をしている報道機関からは一切何らの取材を受けていない(本人あるいは本人サイドに何らの確認しないまま報道している)。これは政権による情報操作でありこのことが如何に危ないことかは、過去の日本の歴史(戦前戦中時の)がそれを証明している。メディアはこのこと(権力に操られる危険性)を強く反省し、きちんとした報道をしてもらいたい。

 私が辞任するのは私の考えが私の選んだ執行部に受け入れられなかったことに加え、今回の報道に見られるように、私に対する(私を政治的に抹殺しようとする)与党を通じた策謀的な動き(報道)が党の代表である私の評価を低下させようとしている。これは結果として党へダメージへを与えることにもなる。そうした影響を防ぐことも辞任の理由である。

         ☆        ☆        ☆     

 以上が小沢代表の会見の趣旨だ。一点分かりづらかったのは、連立なのか、対象の範囲を絞り込んだ形での政策協議なのかその辺の垂分線いまひとつはっきりしていない。ただ記者の質問に対し「連立政権は普通の連立政権だ」という応え方から、今回の行動はやはり一定の問題に限る形での政策協議を超えた連立構想であったと見ていいと思う。

 小沢氏は(1)~(4)の説明で、十分連立の必要性を説く理由になると考えている。その証拠にけっこう堂々とした記者会見だった。意外に記者の質問にも臆することなく応えていた。自らの信念(それが妥当かどうかは別として)に自信があるからだと思う。

 今回の大連立騒動に対する私の評価は前回書いたとおり「ナシ」であると書いた。理由は以下の点にある。

 (1)権力が大きな枠で集中することは「翼賛政治」的独裁につながる。これは立憲民主主義の政治のあり方において最も回避すべきことである。小沢氏は連立のもつ「効用」にのみ目を奪われ、この危険性を軽視している。

 (2)さらに連立を組む手法での政策の実現が果たして本当に国民が望んでいるのか。国民が民主党に望むのは、政策だけでなく野党として(野党の形のままでの)政府与党の政策を厳しくチェックする政治システムにも期待しているのではないか。

 (3)さらにいえば、有権者は民主党が政権をとるとしても、それは野党のままの形からの正攻法での民主党政権の誕生を望む支持者が多いのではないか。

 (4)また次期衆議院選で勝てなかったとしても、参議院の数の優位は現状から考えて少なくとも6年近く続く。3年後の参議院選で与党が非改選まで含めて優位に立てるだけの大勝をするのは至難である。ということは次々期の衆議院選で勝てばまだ政権となるチャンスはあるということになる。

 そういう意味では次期衆議院選をさらなる次をにらんでのステップ的に位置づける戦略として位置づけてもいいはずだ。二大政党制(もっとも私は小沢氏と違い、二大政党制が必ずしも民主主義にかなうとは思っていない)が小沢氏の悲願であるとしても、それは小沢氏が代表のうちに達成できなければ意味がないというものでもない。

 確かに年齢面や健康面の不安もあるかもしれない。それはわかる。そうならなおさら場合によっては彼自身の手での実現での政権実現にこだわることなく(実際自民党時いつでの総理になれた小沢氏はそういう小さなことにこだわる人物ではない)、岡田代表などを後継者として育て、次の次の衆議院選での勝利をめざしてもいいはずである。

 民主党議員の力量を低くみるあまり(実際選挙について地道なことを嫌い青い議員がまだまだ多いけれど)、そういう視点(場合によっては後継者で実現していくという)が小沢氏には欠けているように思えてならない。

 チャンスはそうはないのは確かだが、しかし参議院選の勝利は次々期の衆議院選までのチャンスを与えてくれたと思う。少なくとも今回の大連立の形よりそういう考えかたのほうが、有権者の期待にかなう形という意味でははるかにましであろう。そういう意味では小沢氏の今回の行動は、あまりに時間をあせりすぎた感が強い。
 
 以上が私が今回の小沢氏の行動を支持しない理由である。

 
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by phtk7161 | 2007-11-05 03:44