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社会問題を考える


by phtk7161
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民主党党首選。良質の政治家「岡田克也」への思いと、それでも今回彼を支持できない理由・・・その(2)

電話のエピソードがありながらも、それでも今回私が彼を支持できない理由。それは今回の民主党の党首選の実質が、小泉刺客郵政選挙とまさしく同じ構図になっているからである。

金権政治を打破する正義の政治家「岡田克也」VS金権政治にまみれた悪の小沢とセットの「鳩山由紀夫」、あるいは、新しい政治を呼び込む「岡田克也」VS古い政治をひきずる「鳩山由紀夫」、党首選がそういう幼稚な演出の構図になってしまっている。

こうなってしまっている大きな責任が、メディアにあることはもちろんだが、しかしそういう安易な流れにのってしまう人・・・岡田氏を支持する民主党の議員やそういう議員を積極的に支持たがる人・・・もメディアと同じくらい大きな責任があるといえるだろう。

本当の意味で私たちの立憲民主主義をおびやかす、一番大きな敵はだれか。それは麻生自民党ではないし、小泉自民党でもない。それは戦後の長い歴史のなかで、権力の中枢において時に狡猾かつ時に物理的力を使い、日本を実質的に支配してきた少数の者や組織(制度)・・・たとえば官僚のなかの官僚やアメリカの軍産複合体において日本に影響力を及ぼして組織・・・なのである。

これまでこの敵に日本の内閣が本当の意味でこの敵を知り、対抗したことはただの一度もない。それは、長い間の自民党政権にかぎらず、一時の新進党政権の時代もそうである。できなかったのは、これまでの内閣がそれを知ろうとするつもりもなく(あえて喧嘩する必要もないから)、また知りたくてもその姿の概要をある程度具体的な形で知ることもできなかったからなのである。それは長い間の政治におけるタブーともいえた。

しかし小沢元代表はこの政治タブーをやぶろうとしていた。なぜ彼がそうしようと思ったのか、その真意(動機も含め)は私にもわからない。真面目に法を学んだ過去からの彼なりの立憲民主主義的信念か、権力欲のためか、それとも彼の政治闘争の本能から来るものなのか。

しかしいずれにしても小沢一郎という政治家が、この本当の敵と本気で対峙しようとしていた(そして今もしている)のは事実である。そしてその真意がどうあれ、今彼のやろうとしていることが実現できれば、それは本当の意味で日本の立憲民主主とって大きな飛躍である。その結果は、少なくとも私たちに本当の敵の姿の一端やその行為の真の内容を垣間見せてくれることになる。

それはたとえば財政における埋蔵金の存在(金額の実体)の問題もそうであろうし、安全保障(集団的自衛権をめぐる)における日米関係の実体もそうであろう。これまで、そうだと思わされてきた問題の内容が、根本的にくつがえる可能性があるのだ。そしてそのことが実現できる可能性は、今は残念ながら小沢氏中心の民主党政権でなければなしえないことである。

今まだ岡田氏にはこの敵と戦う実力はない。また彼を自ら積極的に支持する層・・・ことに前原・野田グループ・・・はこの敵と戦うつもりはない。彼らが中心となって政権をとっても、表の斬新さとは裏腹にこれまでの内閣と同じように、この敵に裏で見えない形であやつられていくだけである。検察とも戦えなくて、本当の敵と戦えるはずがない。日本の立憲民主主義は、やがて安全保障面から崩壊してくことになる。そしてこれまで通り相も変らぬ官僚支配はつづく。

繰りかえすけれど、今回の民主党の党首選はまさに小泉郵政選挙の構図と化している。善と悪。○か×か。その思考をきらっているはずの民主党支持者が、金権政治と叫び安易な構図を歓迎し、党が一枚岩となって戦うことを崩して本当の敵を利している。これは罪だ。第一そうした形はまさに「岡田克也」という人間が嫌った形のはずである。

今回の民主党選を政治献金の問題に帰着させるなら・・・メディアはそうしている・・・これから先政権をとったところで、本当の敵とは戦えない。岡田氏が党首になろうとするのであれば、本当の敵と戦える実力を示す必要がある。タブーとされた問題の指摘と、そのための体制づくり(幅広い意見の違いを集約し政策をまとめ上げる力)、狡猾な敵とやりあえる泥臭さをみせることも必要である。しかし残念ながら、今の彼にこれができる実力はない。

官僚の中の官僚の、本当の狡猾さやっかいさをまだ岡田氏は知らない。仮に岡田氏が彼らと戦うつもりがあったとしても、今の岡田氏にはその術がないだろう。「白い手袋」だけでは本当の敵とは戦えないことを、今回岡田氏を支持する議員とその支持者は知らなければならない。

今回の民主当選で岡田氏を○×式の安易な構図で称えてしまうことは、良質の政治資質をもった政治家「岡田克哉」つぶし・・・仮に今回党首になったとしてもそうである・・・以外の何者でもない。前原・野田グループのとった今回の党首選での動きは、岡田克也・民主党つぶしといえるだろう。彼の本当の出番は決して今ではないのである。出番を誤らせこの良質のカードを失ったことは民主党にとって大きな損失である。今頃本当の敵はほくそんえんでいることだろう。
by phtk7161 | 2009-05-16 07:58