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社会問題を考える


by phtk7161
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鳩山的リーダーシップ・・・「したたかに耐える」

鳩山首相がまだ小泉政権下での民主党党首だった頃、彼の小泉首相との党首討論は単に丁寧なだけで何の迫力もなくトップとしては明らかに不向きだった。しかし、その彼が小沢代表時の幹事長のころからけっこうたくましくなってきた。実際小沢「西松問題」では、嵐のような攻撃にひるむことなく我慢強くよく耐えていたし、記者会見での対応も、丁寧ながらもそれなりの迫力がみられるようになった。

今首相になった彼に対し、「頼りない」「リーダーシップ」にかけるとの批判は多い。しかし考えてみれば世の中にいろんなタイプの人間がいて当たり前で、トップのスタイルは「いかにも」的ステレオタイプだけというのもこれまたどうかと思う。

たとえば小泉・石原タイプだけがトップにふさわしいかといえば「?」で、たとえば彼らに共通しているのはある種のビジュアルやしたたかな秘書(飯島・浜鍋)の存在、あるいはナルシス的自己演出力(政策含め)という点だが、それがリーダーの絶対的条件かといえばそうではない。むしろ彼らが長くトップに入られる(た)のは、本当に表に出てはいけない事柄を、ごまかす(あるいは隠す)能力・・・それを処理するのが秘書・・・にたけている(た)のが大きいといえる。

鳩山首相にこれらの要素はない。しかしそれでいてここまで彼なりに首相職をこなしている。期待が大きかった分今の現状に対する風当たりは強い。小泉政権時代の彼ならとっくに終了していただろう。そう思うと西松事件の幹事長時代の「忍耐」経験がここにきて活きている。今も続く丁寧な記者会見のやり方は、一見地味だがうまく「したたかに耐えて」いてなかなかどうして「やるなあ」といった感じなのである。

この彼なりの形は、ドラマ的に引っ張っていくことこそリーダーの証だと思っている人にはなかなか受け入れられないだろうが、しかしのらりくらりの忍耐的なやりかたはそれなりに興味深い。内弁慶的リーダーシップだけで外では所詮「米国のポチ」にすぎなかった首相よりも、のらりくらりだが批判の攻撃に耐え、ある意味米国にとってはこれまでの日本からすればけっこう「ずうずうしい」要求(もちろん日本にとっては当たり前の)をだしている首相のほうが、日本にとってのリーダーにふさわしく、案外「ウルトラC」的結末をだせたりするのかもしれない。

政府・民主党のここまでの対応には私なりに不満はあるが(それについてはすでに記した)、こと丁寧な姿勢で「耐える」彼のスタイルについては「なかなかたいしたもんだ」と実は思っている私なのである。まあ政治を坂本竜馬的に考える人には同感してもらえないだろうな。
by phtk7161 | 2010-04-07 03:56