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社会問題を考える


by phtk7161
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小沢代表辞任会見を見て思う(その1)・・・私が大連立に関する小沢氏の行動を支持しない理由

 前回のブログで大連立の挫折の件について書いたが、時を経るまもなく小沢代表の辞任である。前回から1日経過していないけれど、ことがことだけに小沢氏辞任の件に関し書かざるを得ない。

 昨日の記者会見は最初から最後までテレビで見ていた。今まだ深夜1時過ぎであるし新聞による要旨も当然読んでいない。したがってメディアによる都合のいいところ悪いところを省いた状態で読まされる(みせられる)危険のない、ライブでの記者会見の全てをみた私の感想を書きたいと思う。

  小沢辞任の理由は次のとおり。ビデオをとってくりかえしみたわけではないから、私なりの言葉(彼の趣旨から離れていない範囲で)で表現した部分はご容赦を。

 (1)法案提出しても衆院で与党が多数である以上、参院選で有権者に約束した生活重視の政策が実現できない。しかし今の状態で次の衆議院選を戦ってみても民主はまだまだ力不足で勝てない可能性が強い。つまりは有権者との約束を今のままでは果たせない。しかし連立すれば、それにより法案を成立させることができ選挙時の有権者との約束を果たせることになる

 (2)かねてから自分の念願である国連決議に基づく自衛隊の海外派遣を福田総理が飲むといってくれた。これは自民党のかねてからの憲法解釈をかえるもので、私自身は高く評価した。このひとつとっても政策協議に入る価値がある。福田氏は連立を組んでくれるなら特措法はあきらめるとまでいってくれた。この誠実な姿勢を私は高く評価したい。

 (3)民主党の責任権党(政権党)としての実力不足がよく指摘される。私も今一歩力不足だと思う。そこで民主党が連立政権にはいることで責任政党としての実績を培うほうが民主党にもよいと考えた。この過程を経たうえで国民の支持を得ることにより、いずれは単独政党の形で政権党となることができる。そういう意味から、今回連立政権が実現すれば私の悲願である真の意味での二大政党制の実現に近づくことになる。これは日本の民主主義のためにも必要なことだ。

 (4)連立の呼びかけについて「小沢代表のほうからの呼びかけ」という報道が日経朝日以外のメディアで報道された(主に読売、産経か?)。しかしこれは明らかな間違いであり、よびかけは政府(福田総理)のほからだ。しかし多くのメディアは政府与党サイドの議員の話をそのまま鵜呑みにして(乃至はうそだと分かっていて)報道している。

 私自身もまた私の秘書もこの件に関し、間違った報道をしている報道機関からは一切何らの取材を受けていない(本人あるいは本人サイドに何らの確認しないまま報道している)。これは政権による情報操作でありこのことが如何に危ないことかは、過去の日本の歴史(戦前戦中時の)がそれを証明している。メディアはこのこと(権力に操られる危険性)を強く反省し、きちんとした報道をしてもらいたい。

 私が辞任するのは私の考えが私の選んだ執行部に受け入れられなかったことに加え、今回の報道に見られるように、私に対する(私を政治的に抹殺しようとする)与党を通じた策謀的な動き(報道)が党の代表である私の評価を低下させようとしている。これは結果として党へダメージへを与えることにもなる。そうした影響を防ぐことも辞任の理由である。

         ☆        ☆        ☆     

 以上が小沢代表の会見の趣旨だ。一点分かりづらかったのは、連立なのか、対象の範囲を絞り込んだ形での政策協議なのかその辺の垂分線いまひとつはっきりしていない。ただ記者の質問に対し「連立政権は普通の連立政権だ」という応え方から、今回の行動はやはり一定の問題に限る形での政策協議を超えた連立構想であったと見ていいと思う。

 小沢氏は(1)~(4)の説明で、十分連立の必要性を説く理由になると考えている。その証拠にけっこう堂々とした記者会見だった。意外に記者の質問にも臆することなく応えていた。自らの信念(それが妥当かどうかは別として)に自信があるからだと思う。

 今回の大連立騒動に対する私の評価は前回書いたとおり「ナシ」であると書いた。理由は以下の点にある。

 (1)権力が大きな枠で集中することは「翼賛政治」的独裁につながる。これは立憲民主主義の政治のあり方において最も回避すべきことである。小沢氏は連立のもつ「効用」にのみ目を奪われ、この危険性を軽視している。

 (2)さらに連立を組む手法での政策の実現が果たして本当に国民が望んでいるのか。国民が民主党に望むのは、政策だけでなく野党として(野党の形のままでの)政府与党の政策を厳しくチェックする政治システムにも期待しているのではないか。

 (3)さらにいえば、有権者は民主党が政権をとるとしても、それは野党のままの形からの正攻法での民主党政権の誕生を望む支持者が多いのではないか。

 (4)また次期衆議院選で勝てなかったとしても、参議院の数の優位は現状から考えて少なくとも6年近く続く。3年後の参議院選で与党が非改選まで含めて優位に立てるだけの大勝をするのは至難である。ということは次々期の衆議院選で勝てばまだ政権となるチャンスはあるということになる。

 そういう意味では次期衆議院選をさらなる次をにらんでのステップ的に位置づける戦略として位置づけてもいいはずだ。二大政党制(もっとも私は小沢氏と違い、二大政党制が必ずしも民主主義にかなうとは思っていない)が小沢氏の悲願であるとしても、それは小沢氏が代表のうちに達成できなければ意味がないというものでもない。

 確かに年齢面や健康面の不安もあるかもしれない。それはわかる。そうならなおさら場合によっては彼自身の手での実現での政権実現にこだわることなく(実際自民党時いつでの総理になれた小沢氏はそういう小さなことにこだわる人物ではない)、岡田代表などを後継者として育て、次の次の衆議院選での勝利をめざしてもいいはずである。

 民主党議員の力量を低くみるあまり(実際選挙について地道なことを嫌い青い議員がまだまだ多いけれど)、そういう視点(場合によっては後継者で実現していくという)が小沢氏には欠けているように思えてならない。

 チャンスはそうはないのは確かだが、しかし参議院選の勝利は次々期の衆議院選までのチャンスを与えてくれたと思う。少なくとも今回の大連立の形よりそういう考えかたのほうが、有権者の期待にかなう形という意味でははるかにましであろう。そういう意味では小沢氏の今回の行動は、あまりに時間をあせりすぎた感が強い。
 
 以上が私が今回の小沢氏の行動を支持しない理由である。

 
by phtk7161 | 2007-11-05 03:44